
PROFILE
職種:サウンドデザイナー
入社:2011年
ゲームの世界観を音で演出するスペシャリスト

サウンドデザイナーは音に関する部分を幅広く担当しており、楽曲制作、ゲームへの実装、効果音の制作・収録、声優音声収録、ムービーのサウンドはもちろん、自社バンドの活動などもしています。
ゲームの世界観に欠かせないBGM、キャラクター音、アクション音、メニュー音、環境音などの音の演出も行います。
このように多岐の業務を担当するため、すべての職種と関わります。
企画職と音のイメージをつくり、ゲームエンジニアとは実際にどこでどう鳴らすのかという音の配置の仕方などを相談し、デザイナーとはデザインを見ながらキャラクターのバックボーンなどを聞き、イメージを膨らませてサウンド制作を行います。
そしてディレクターとは直接打ち合わせをしながらSEやBGMをつくっていきます。
サウンドデザイナーは音のないゲームに「歩く音」、「布の擦れる音」など、ゼロから音をつけていくという仕事です。
音がこうなったら面白いだろうという感覚や発想ができることが大切です。自分がやりたいと思うところはやらせてもらえる環境だと感じていますので、個性は出したもの勝ちだと考えています。
サウンドデザイナーならではの役得と厳しさ
『BloodBorne』の楽曲は、フロム・ソフトウェア初フルオーケストラと聖歌隊の生収録で制作し、私もロンドンでの楽曲収録に立ち会うことができました。
オーケストラ用の譜面が必要だったのですが、普段はDAWを使ってPC上で作曲をしていて譜面を書く経験がなかったため、オーケストレーターの方に曲を楽譜に起こしてもらい、収録に臨みました。演奏の指示をする際、楽譜に書いていないニュアンスを外国の演奏者に伝えることが難しく、いかに譜面上の情報が大切かということを学びました。次回はぜひ自分で楽譜まで書いてオーケストレーションし、収録をしたいと考えています。
また、別の機会に中学生の頃から好きだったアーティストさんに楽曲制作に関わってもらうことができたのも本当に嬉しかったです。
このように良いこともありますが、実際の業務ではサウンドがゲームの世界観にそぐわない場合、ディレクターから何回もリテイクが出ることも多々あります。
ボス戦のBGMを制作する際、まだボスのデザインが決まっていない状況もある中、そのキャラの背景にある設定や感情を音楽で表現するというのはとても難しいものがあります。
手詰まりになってしまったときは、実際のゲームをプレイしてみたり、参考になりそうな画像を調べてみたりすると、自分の引き出しにない楽曲ができていき、新たな発見があります。
そうしてできた楽曲でOKが出た時はとても達成感がありますし、病みつきになるような魅力があります。
より良いサウンド作りを求めて

これまでは、SE、BGMにしてもステレオでの再生がメインで、カットシーンやムービーのみのサラウンド対応という形が多かったのですが、サラウンドや立体音響技術が向上して、音の上下や前後移動の表現も可能となり、演出の幅も大分広がりました。
SEの配置次第で実際にプレイヤーの真後ろに敵が居るように感じさせるような演出ができたり、BGMに関しても4chで再生させてより臨場感を出したりという事ができるようになったので、今後積極的にゲームの演出に使えたらと思っています。
また私はバイオリンを弾いているのですが、今年からチェロや声も使い始めました。今後さらにいろんな楽器を用いて、個性的な楽曲を制作したいです。