立石美央
2020年入社(福岡スタジオ勤務)ゲームの背景制作(オブジェクトのモデル作成やライティングなど)、資料収集(世界観に合うデザインや建築構造
などの資料)、インターンシップや“CEDEC+KYUSHU”などのイベント対応を担当。
未経験からのスタートでつかんだ現在
兄がプレイしていた『ARMORED CORE』でフロム・ソフトウェアの名前を知り、その後『DARK SOULS』シリーズや『Bloodborne』のような世界観に惹かれて入社したいと思うようになりました。社会人になってからはゲームと関係のない業界で働いていたのですが、ゲーム開発に携わりたいという気持ちが諦めきれず、専門学校に入り直してCG制作などを学びました。
現在は未発表タイトルで背景グラフィックの制作やオブジェクト、ライティングの構成を担当しています。制作には3ds MaxやPhotoshop、Substance 3D Designer、Substance 3D painterなどを使用しています。
私は福岡スタジオですが、東京のチームとは制作物のチェックや進捗状況の共有といった日々のコミュニケーションがあり、疑問点や改善点などをお互いに確認できる環境もあるので、制作はとてもスムーズに進められています。東京と福岡で距離は離れていますが、同じひとつのスタジオで働いているような感覚ですね。『ELDEN RING』でも「魔術学院レアルカリア」などいくつかのレガシーダンジョンを主に福岡スタジオが制作していたりと、東京のスタジオと変わらず、背景グラフィック、キャラクターグラフィックにおいて重要なパートを担っています。
独自性を出せるように技術を磨いていく
3Dグラフィックの制作は、デザイナーの案やゲームプランナーの意図を整理して、お互いにすり合わせながら進めていくことが重要です。ひとりで考え込んで煮詰まってしまうこともありましたが、そのときは上長やチームからアドバイスをもらって制作に取り組みました。
背景デザイナーによるコンセプトアートに描かれている、壊れたブロックひとつを取っても、どうして壊れたのか、どうやってその形になったのかといった、語られていない情報から想像を広げてCGを作ると説得力が増す、というアドバイスは、3Dグラフィックを作るときに常に意識するようにしています。また実際にある物を参考にすることも重要ですが、現実よりも少しシルエットやテクスチャーを強調することで絵的な格好良さにつながることがあります。これも社内の3Dグラフィックアーティストから教わったことですね。
背景制作においては、ランドマークになるものにはコンセプトアートが存在し、それをもとに構成していくのですが、そこに至るまでの小道であったり、配置するオブジェクトの組み合わせなどは、3Dグラフィックアーティストの裁量に委ねられます。
言われた通りに配置していくのではなく、やりたいことを提案していくことを重視する社風がフロム・ソフトウェアにはあると思います。私が作る背景にも独自性を出せるように、これからも技術を磨いていきたいです。
環境を活かして
インプットとアウトプットを
先輩たちが制作したCGから新たな技法を学ぶことも多く、3Dグラフィックアーティストとしてフロム・ソフトウェアの環境に不足を感じたことはありません。また休日にはデッサンの勉強をしたり、Blenderを使用してキャラクターのデザインに挑戦したりしています。“CEDEC+KYUSHU”などの講演を経験することで、ゲーム開発における知見が深まりましたし、ほかにはインターンシップの指導を通して刺激を受けることもあったりします。自分が参加した作品が、ユーザーさんに遊んでいただける日を楽しみにしながら、積極的にインプットをして、研鑽を積んで開発に励んでいきたいと思います。