企画の仕事

職種紹介
【 企画の役割って? 】
コンセプトを実現する仕組を考え、おもしろさを具現化する

大本のゲームコンセプトに基づき、それを実現するために「誰が、何を、どう作るか?」というアイデアを出し、実現までの道筋を作ることが企画職の日々の仕事です。そして作業全体の項目や流れを整え、実際にデータを作るデザイナーやプログラマ、サウンドクリエイターなどへ制作を依頼し、進行させていきます。また各制作過程で、ゲームの世界観やおもしろさが実際に実現されているかといった方向性やクオリティを確かめ、各職種からも提案されるさまざまなアイデアを取捨選択・ブラッシュアップしながらより良いものを作り上げていく仕事です。

ハードの限界や期間・コストといった制限のある中で、最大限の効果を出す為に、知恵を絞り、多くの人の力を引き出す。それが企画の役割です。

【 どんな仕事なの? 】
おもしろさの根幹をつくる!

「何を楽しんでもらうか。どういう体験をしてもらいたいか といった大本のコンセプトを提案し、そのコンセプトに基づいて、ゲームのルールや世界観・ストーリー・キャラクター・システムなど、ゲームを構成する要素を細かく考えていきます。またそれらを実際に制作するため、「設計(仕様書作成)」「発注・管理」を行い、それらをくり返し、ブラッシュアップしていくことでゲームができていきます。

「こういうゲームを作る」という大本のアイデアを出し企画書を書くことが仕事の中心と思われがちですが、実際企画書ではゲームとしてのアイデアだけではなく、商品として成立させるためのアイデアも必要なため、「ゲームの企画書」を作成できるようになるには経験が必要です。そのため、まずは大本のコンセプトに基づき実現していくことから経験を積み、次第に大きなコンセプト出しを任されるようになっていきます。

「アイデア出し」、「設計」、「発注・管理」

企画の仕事は大きく以下の3段階に分かれます。これらは段階ごとに担当が分かれているわけではなく、自分の提案したアイデアについては、基本的には自分で設計~発注・管理までトータルに行います。

1. アイデア出し
コンセプトを実現するには何が必要か?という要素分解を行います。“おもしろさ”を作り出すための表現方法と、それを開発するための工数を洗い出します。

2. 設計
表現・工数の要素が決まったら、他職種の人へ伝達するための大まかな書類(仕様書)を作成します。技術的な部分でシステムや工数が分からない場合は、設計職と相談しながら仕様を詰めます。

3. 発注・管理
デザイナーやゲームグラフィックデザイナー、サウンドクリエイターといった他の職種に制作を依頼し(発注)、実際にそれが意図したもの(もしくはそれ以上)に仕上がっているのか、クオリティを含めたディレクションを行います。

また、企画の仕事には、「ここからここまでが担当範囲」という明確なラインがありません。「プログラム」や「デザイン」「作曲」などの専門業務以外は企画職の仕事といえます。ですから、時にはチーム内外の調整役として動いたり、プロモーション用の素材の準備をサポートしたりといったことも行います。

制作の司令塔として

幅広い職種と関わることから、企画職には司令塔的な役割が求められます。変化に対応できる柔軟性や、積極的で精度の高いコミュニケーションが必要となります。また、仕事の質・タイトルの質を高めていくために何が必要かを常に考え、周りに発信していくことも企画職の役目です。

インタビュー

PROFILE
■職種:企画
■入社:2009年入社

【 未確定要素の多さに手こずっていた若手時代 】

企画職はプロデューサーやディレクターから「こういうことをやりたい」という大きな方針(コンセプト)を受けて、それを触って遊べるゲームに実現するべく、何が必要なのか、何が大切なのかを考えて作り上げていく仕事です。

例えば、コンセプトが『死闘感』だったとして、これを実現するためには息が詰まる・緊張感が高まっていくバトルにしていく必要性があると考えます。そうすると、敵の戦闘モーションがもっと必要だ、殴りつけた手応えの演出が必要だ、ボス戦ではBGMが途中で更に盛り上がるのも必要だ…と、要素が洗い出されていきます。更に丁寧に見ていくと、手応えの演出に血しぶきのエフェクトが必要だからグラフィッカーに依頼しよう、BGMを切り替えられるプログラムが必要だからプログラマに依頼しよう、と次に何をすればいいかが具体化されていきます。
こうしてどんどん要素分解していき、実現のために各方面に作業を依頼し作り上げていくのが企画の仕事になります。そのため、あらゆる職種と関わりを持って仕事をしていきます。

ただ実際の仕事では、多くの要素が足されたり引かれたり絡み合いながら同時進行していきます。これは途中から「こうした方がもっと面白い」とか「ユーザーにとってより良い」などと判断された場合に、決まっていた要素を改めることがあるからです。つまり、コンセプトはあっても、各要素が未確定な状況の中で決めていくことが多々があります。
入社してからすぐは、そのあたりの力の入れ具合がよく分からず、もっと効率を考えて作業するようにと怒られて自信を無くしかけたり、これであっているのかと自問自答しながら進めていくことが多くありました。

それでも経験を積んでいくうちに、仕事が分かってくるタイミングというのはあります。
『Bloodborne』の開発で、敵キャラクターがどんな特徴をもっているか決める仕事を担当していた時です。それまでの仕事では、開発時期的に未確定要素が多いために、周りの人の意見を聞きながら、無難で、失敗しない安全圏で試していたという感じでした。しかし、このときは開発後期で各要素が決まりかけていましたので、提案に確信を持ちはじめていました。そこで自分がこれが面白いと思うものをこのとき思い切って出してみました。
「ガスコイン神父」というキャラクターは、当初は戦っていてもあまり面白くないボスキャラクターでした。駆け引きをするのに一通り必要なデータは揃っているはずなのにどうしてだろう?と考え、突出したイメージが足りないのだと考えました。そこで、手を休めず次々と攻撃を繰り出すようにしたり、ダメージを受けたら逃げながら攻撃したり、吹き飛ばした相手に追い打ちをかけるAIを組み込み、純粋にこのキャラクターが恐ろしく、強く見えるように調整をかけました。
すると周りの人から面白い、良かったと言われたので、自分のやってきた仕事の進め方は間違っていなかったのだと確信でき、本当に嬉しく感じました。

【 諦めてたまるか 】

あるゲームの開発終盤に、担当している作業部分で大量のバグが見つかりました。開発チームの他のメンバーは別の対応で手一杯だったことと、当時その箇所の内容を確実に把握できているのが自分ひとりしかいなかったため、連日長時間バグ対応をおこなったことがありました。
実際かなりきつい日々ではあったのですが、「これを乗り越えたら、大抵なんでも乗り越えれるだろう。ここで諦めてたまるか」という強い気持ちで乗り越えました。おかげで精神的にも強くなりましたし、後輩が壁にぶつかっている時は、当時を思い出して「遠慮なく頼れ!」と伝えています。また、大き目の仕事がある場合には、うまくいかなかった時の保険をかける意識を持つようになりました。

【 ユーザー第一のゲーム作り 】

私がゲーム開発で最も大切にしていることは、「ユーザー第一」であることです。例えば1ヶ月コツコツがんばってつくったものでも、それがユーザーのためにならなければ、捨てるべきだと考えています。これは入社前から考えていたことで、ゲームをプレイしていて「これは開発者のエゴだろう」と思うことが度々ありました。なので、自分が開発側になったら絶対やらないようにしようと心に決めていました。

そして今、企画職としてゲームづくりに携わっています。最終的には自分の好きにゲームが作れるディレクターの立場になりたいと考えていますが、同時に「ユーザー第一」も忘れずに持ち合わせていたいです。
そのためには、「面白い」を計画的に、理論的に、具体的に導ける力が必要で、その力を身に着けるためにあらゆる作業分野に首を突っ込んで自分の糧にしていきたいです。一方で、他の方が作ったゲームをプレイすることで「ユーザーだとこう感じるんだよなぁ」という気持ちも養っていき、理想のディレクター像で仕事ができればいいなと思っています。