シネマティック アーティスト職の仕事

職種紹介

シネマティックアーティストの役割って?

ゲーム中に挿入される映画的な演出のカットシーン(リアルタイムイベントデモ)と、ゲームのオープニングやプロモーション関連のイベントなどで上映されるオフライン(プリレンダリング)CGムービーを制作する仕事です。

物語の重要な部分を魅力的に演出し、プレイヤーを引き込む役割を持ちます。

どんな仕事なの?

演出に特化しているからこそ、絵作りを追求できる

インタラクティブなゲーム中では、操作の快適性を損なわないようにするため、100%のリソースを絵作りに使えるわけではありません。

ですがカットシーンの場合、インタラクティブなゲーム処理が一旦中断され、絵作り主体でリソースを利用できるようになるため、より映像表現に特化した演出が可能です。また、ゲームでのプレイヤーキャラクターの装備などがそのまま映像になりますので、ゲーム体験を損なうことなく、ゲーム内では語りきれない作りこまれた世界観の奥行きを魅力的に伝える事ができます。

想像力をかきたて、記憶に残る絵作りをする

カットシーンによってプレイヤーの想像を膨らませ、世界観に引き込み、ゲーム体験をより印象的に演出したい。そのために何をどう見せるか、場合によっては何を削るかを考える事が重要な仕事です。

たとえば、キャラクターの纏っている鎧を間近に映すと、鎧のディティールからその世界の技術力や時代背景などを想像したりできますし、敵キャラクターの傷を垣間見せることで、過去に激しい歴戦を潜り抜けてきたのだろうと想像させることができます。こうした演出でプレイヤーの想像力をかきたて、普段のプレイでは気づかないキャラクターや世界観の魅力を伝える事ができます。

それぞれの演出が何を意図しているのか?それはカットシーンで無いと描けないものか?それらを意識する事で、振り返った時により記憶に残るような場面になるように心がけています。

独自の世界観を緻密に描き出すプリレンダリングCG

プリレンダリングCGはプロモーションに用いられることが多く、初めてその世界観を目にした人にゲームに興味を持ってもらい、その世界に没入していくきっかけになる大事な仕事の一つです。フロム・ソフトウェア独自の世界観を込めつつ、緻密で質の高いCGになるよう意識して制作しています。

インタビュー

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PROFILE

職種:シネマティックアーティスト職

入社:2014年入社

実際の仕事の流れ

まず “要件”、“求める演出”の書かれている字コンテに合わせて、カットシーンの前後のゲーム内の状況、企画要件を開発チームと共有します。そして背景レイアウトやキャラクターのデザイン、モデルの材料を基に打ち合わせを行って絵コンテを起こしていきます。絵コンテが決まったら、それを基に動画コンテを作成、アニメーションをつけ、エフェクトやサウンドを発注し、ライティングやポスト処理を行って完成…というのが基本的な流れです。字コンテや絵コンテ時の内容を動画コンテやアニメーション作成中に変更することもあり、より魅力的な演出・構成への変更や要件の変動にも柔軟に対応を行います。

ちなみにアニメーション制作では、同じキャラクターでもゲーム内とカットシーンでは動きが異なっています。ゲーム内では「動かして楽しい」「戦って楽しい」ことに注力してアニメーションを制作し、カットシーンではその時の見せ方に合わせた動きを新たに考え作っていきます。人対人などの芝居ベースのモーション作成はモーションキャプチャーを基に作成することもありますが、クリーチャーは手付けが多いので、腕の見せどころですね。大変だけど、楽しい部分でもあります。

見ている人が向こう側にいることを意識する

大事だと思っていることがふたつあって、ひとつは自分の引き出しを増やすこと、それと”受け手“の目を意識することです。

自分は学生時代から、当時の先生の教えもありとにかくインプットを増やすことに注力してきました。多くの映像作品を見て今の技術でできることは何かを考えたり、自分が観ていて引き込まれたシーンは「なぜ引き込まれたのか」を分析したり。画面構成や視線誘導のロジックを解明していくなど、演出には色々な手段があるのでそれを延々考えていました。あとは魅力的に感じたカメラワークを何十回と繰り返し見たりして、とにかく自分の「引き出し」を増やしていました。

また、自分が制作しているゲーム内のカットシーンなどの映像を含め、映画やCM・ゲームは、視聴者や購入してくれるユーザー・プレイヤーという“受け手”の存在がいて初めて成り立つものです。ですが、作ることに没頭するとたまにその視点が抜け、プレイヤーからは見えないところにこだわってしまったりすることがあります。それでは結果的にプレイヤーに良い物を届けることができなくなってしまう場合もあり、「この映像は、このシーンは、このアニメーションは何の為に作るのか」を常に考えるようにしています。

もちろん自分のこだわりを出すのがNGということではありません。たとえば、ライティングをするときに、現実では「現実的にはこの光源からこんなライティングにはならない、不自然だ」というシーンでも、時には現実にはありえなくても魅力的な見え方のするライトを設定し、よりドラマティックな演出をつけることもあります。その際、自分の中の「引き出し」から色々な手法を探し、最適だと思う演出を見つけていきます。“受け手”から見えない部分にこだわるのではなく、見える部分でより自分のこだわりを魅せられるよう考え抜く。そうやって、常に“見ている人を意識”しています。

この考え方は、ポートフォリオ作りの時にも意識してほしいところです。「自分をどう見せたい、どう見られたいか。やりたいことはなにか」を考えて、それを作品にぶつけてほしいですね。

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この仕事のおもしろさ

フロム・ソフトウェアは時間をかけてより良いものを作りたい、そういった人が多く集まる会社です。その中で、シネマティックアーティストは他部署とのやりとりがとても多く発生するセクションだと思っています。メインディレクターを始め、デザイナーと密に連携し、作業が進んでくれば3Dグラフィックアーティスト、エフェクトアーティスト、サウンドデザイナーなど多くの方との協業があります。他にもCG表現について「こうしたいけど、今のままでは難しい」といった時にはグラフィックスプログラマーとも打ち合わせをします。多くの人と関わっていいものをよりいいものにしていく過程は、ものづくりの醍醐味と言えます。

もちろん生みの苦しみも伴いますが、自社のコンテンツをゼロから映像という形にしていくので作り上げる感覚や手応えをとても大きく感じるのが魅力だと思います。

そしてシネマティックアーティストは、やりたいことや表現は常に尽きない、技術習得にも終わりはない、そんな職種です。ひとつの事を突き詰める、やれる事には何でも手を伸ばし自分の領域を広げていく事などに貪欲な人と働けたらと思っています。

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